要介護の認定調査で聞かれること|当日の準備と取り繕い対策

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要介護認定の認定調査を控え自宅で穏やかに過ごす高齢の女性

「来週、認定調査の人が家に来る」と言われても、何を聞かれて、家族が何をすればいいのか分からず不安ですよね。じつは認定調査の当日対応で、出る区分(要介護度)が変わることがあります。この記事では、認定調査で聞かれること、結果を左右する「取り繕い(普段できないことを頑張って見せてしまうこと)」の防ぎ方、当日までの準備までを、40代の家族目線でまとめます。

認定調査は「ありのままの普段」を見てもらう場だと考える

認定調査で家族がメモを取りながら準備する様子

認定調査は、テストでも審査でもありません。親御さんの普段の状態を、調査員に正しく伝えるための場です。ここで実際より元気に見えてしまうと、必要な介護サービスが使いにくい軽い区分になりがちです。家族が事前に準備し、当日は普段の様子を補足する。これだけで結果の納得度は大きく変わります。

認定の全体像(要支援・要介護の違いや7段階の区分、受けられる補助)を先に知っておきたい方は、要介護・要支援の認定基準と受けられる補助【2026年6月版】完全ガイドとあわせて読むと、当日の準備がぐっとラクになります。

そもそも認定調査とは?申請後に自宅へ来る聞き取り調査

認定調査とは、要介護認定を申請したあとに、市区町村の認定調査員(自治体職員や委託されたケアマネジャーなど)が自宅や病院・施設を訪ね、本人の心身の状態を聞き取り・観察する調査です。所要時間は40分〜1時間ほどが目安です。

申請から認定結果の通知までは、原則として30日以内とされています。調査と並行して、市区町村がかかりつけ医に「主治医意見書」を依頼し、これらをもとに区分が決まります。申請手続き全体の流れは介護保険申請の流れを完全解説を参考にしてください。

当日に聞かれること:心身の状態を全国共通の74項目でチェック

調査の中心になるのが「基本調査」と呼ばれる全国共通の74項目です。大きく次のような分野を、一つずつ確認していきます。

分野 見られる内容の例
身体機能・起居動作 麻痺、関節の動き、寝返り、起き上がり、立ち上がり、片足立ち、視力・聴力
生活機能 移乗、食事・飲み込み、排せつ、着替え、洗顔・整容、外出の頻度
認知機能 意思の伝達、毎日の日課の理解、自分の名前や生年月日、短期記憶
精神・行動障害 物忘れ、被害的になる、感情が不安定、昼夜逆転、徘徊などの有無と頻度
社会生活への適応 薬の内服、お金の管理、買い物、簡単な調理

調査員は「できる・できない」だけでなく、実際の動きや、家族からの聞き取り(特記事項)も記録します。だからこそ、家族の補足説明が重要になります。

結果を左右する「取り繕い」問題に気をつける

もっとも注意したいのが、本人が見栄や遠慮で、普段できないことを「できる」と答えたり、無理に頑張って見せたりすることです。いつもは杖や手すりを使うのに、調査員の前では何もつかまらずに立ってみせる、といったことが起こります。

とくに認知症のある方は、その場を取り繕う受け答えが出やすい傾向があります。これを放っておくと、実際より自立度が高く判定され、必要な支援が届きにくくなります。「悪く見せる」必要はありませんが、「いつも通りを見てもらう」ことが大切だと、本人にも事前に伝えておきましょう。

当日までにやっておく3つの準備

準備のあるなしで、伝わり方がまったく変わります。次の3点を整えておきましょう。

  1. 普段の様子メモを作る:いつ・誰が・どんな介助をしているか、困っていること、転倒やもの忘れの具体的なエピソードを日付つきで書き出す。
  2. 家族が立ち会う段取りをする:本人が答えにくいことを補足できるよう、普段の介助を一番している人が同席する。仕事の都合は早めに調整する。
  3. 関連書類をそろえる:お薬手帳、診察券、これまでの診断書や入院記録など、状態がわかるものを手元に置く。

当日の進め方と、家族が上手に補足するコツ

当日は、本人の答えを家族がさえぎらないことが基本です。本人が「できる」と言った直後に否定すると、機嫌を損ねて調査が進みにくくなります。その場ではメモを取り、本人が席を外したタイミングや、調査の最後に「実際は手助けが必要です」と具体例で伝えると角が立ちません。

伝え方は「できない」ではなく「週に2回ほど転びかけて、夜のトイレは付き添っています」のように、頻度と場面をセットにすると、調査員が状況を記録しやすくなります。事前のメモが、ここで効いてきます。

主治医意見書も区分を決める大事な材料

区分は、認定調査の結果とあわせて「主治医意見書」をもとに判定されます。これは、かかりつけ医が本人の病名や心身の状態を書いた書類です。普段の通院で困りごとを伝えていないと、医師が実情を把握しきれないことがあります。

認定を申請する前後の受診時に、自宅での転倒、もの忘れ、食事や排せつの介助状況などを、メモにして医師へ共有しておきましょう。調査と意見書の両方で実情が伝われば、結果のズレが起きにくくなります。

結果に納得できないときの2つの選択肢

通知された区分が実態と合わないと感じたら、主に2つの方法があります。

  • 区分変更申請:認定後に状態が変わった(重くなった)ときに、有効期間の途中でも区分の見直しを申請できます。
  • 審査請求(不服申し立て):認定結果そのものに不服があるとき、都道府県の介護保険審査会へ審査請求ができます。原則として結果を知った日の翌日から3か月以内が目安です。

実務では、まずケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、区分変更で対応するケースが多いです。期限や手続きはお住まいの市区町村によって運用が異なるため、窓口で確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q. 家族の立ち会いは必須ですか?
必須ではありませんが、普段の様子を補足できるため強くおすすめします。難しい場合は、事前にメモを渡す方法もあります。

Q. 本人の前で言いにくいことはどう伝える?
メモで渡す、本人が席を外したときに口頭で伝える、調査の最後に補足する、のいずれかが現実的です。

Q. 緊張して普段通りに話せるか不安です。
あらかじめ「いつも通りでいい」と本人に伝え、答えにくい質問は家族が引き取ると、落ち着いて進められます。

当日の正解は「メモ・立ち会い・いつも通り」の3点に尽きる

認定調査当日に家族が立ち会い普段の様子を補足する場面

認定調査で家族ができることは、普段の様子をメモにまとめ、立ち会って補足し、本人に「いつも通りでいい」と伝えること。この3点だけで、実態に合った区分に近づきます。調査日が決まったら、まずは普段の介助内容を一枚のメモに書き出すところから始めましょう。

※本記事の制度内容は2026年6月時点の一般的な情報です。期限・手続きの詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。