介護休業と介護休暇の違い|辞める前に使える制度を整理

介護離職・キャリア

親の介護が始まり、「このままでは仕事を続けられないかも」と不安になっていませんか。会社を休むための制度には「介護休業」と「介護休暇」の2つがありますが、名前が似ていて違いがわかりにくいですよね。この記事では、2つの違いと場面ごとの使い分け、仕事を辞める前に確認したいことを整理します。

介護休業と介護休暇の違いは「体制づくりのためのまとまった休み」か「スポットの休み」かです

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先に答えをお伝えします。介護休業は、介護の体制を整えるためにまとまった期間休む制度です。対象家族1人につき通算93日まで、3回に分けて取れます。一方の介護休暇は、通院の付き添いなどで1日や数時間だけ休む制度です。対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日まで使えます。

どちらも育児・介護休業法(仕事と育児・介護の両立を支える法律)で定められた権利です。対象になるのは、家族が「要介護状態」のとき。これは、けがや病気、障害によって2週間以上つねに介護が必要な状態を指します。介護保険の要介護認定を受けていなくても、この状態にあたれば対象になり得ます。

ひと目でわかる介護休業と介護休暇の比較表

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主な違いを表にまとめました。数字は厚生労働省「介護休業制度特設サイト」(2026年9月確認)にもとづいています。

項目 介護休業 介護休暇
休める長さ 対象家族1人につき通算93日 1人なら年5日、2人以上なら年10日
分け方 3回まで分割できる 1日単位または時間単位
申し出 開始予定日の2週間前までに書面等で 口頭でも可。当日の申し出も相談しやすい
お金 条件を満たせば介護休業給付金(賃金の67%相当) 有給か無給かは会社の規定しだい
主な使いみち 介護サービスの手配、施設探し、家族会議 通院の付き添い、ケアマネジャーとの打ち合わせ

対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。義理の親の介護でも使えます。

場面別|介護休業と介護休暇どっちを使う?

迷ったときは「何日休む必要があるか」で考えるとスムーズです。よくある場面ごとの目安を紹介します。

  • 月1回の通院付き添い:介護休暇。半日や数時間の時間単位で取ると、残りの日数を温存できます。
  • ケアマネジャーとの面談や契約手続き:介護休暇。1〜2時間で済むことが多いためです。
  • 親の退院直後で、在宅介護の準備が必要:介護休業。サービスの調整や住まいの見直しには数週間かかることがあります。
  • 施設探しや見学を集中して進めたい:介護休業。見学・申し込み・家族の話し合いをまとめて進められます。
  • 遠方の親が急に体調を崩した:まず介護休暇で駆けつけ、長引きそうなら介護休業に切り替えます。

介護休暇は、会社の年次有給休暇とは別枠です。有給休暇を先に使い切る必要はありません。

介護休業は「自分が介護する期間」ではなく体制づくりの期間

介護休業は「自分が介護する期間」ではなく体制づくりの期間

93日と聞くと「3か月、自分で親を看る期間」と考えがちです。ただ、厚生労働省も、介護休業を仕事と介護を両立できる体制を整える「準備期間」ととらえるよう呼びかけています。介護は数年続くこともあり、93日だけで乗り切るのは現実的ではないからです。

たとえば、次のように分けて使う方法があります。

  1. 1回目(2〜3週間):地域包括支援センター(高齢者の総合相談窓口)に相談し、要介護認定を申請。ケアマネジャーを決める
  2. 2回目(2〜4週間):介護サービスが始まる時期に合わせて休み、様子を見ながら調整する
  3. 3回目(残りの日数):施設入所や、状態が大きく変わったときのために取っておく

最初に93日を使い切ってしまうと、親の状態が変わったときに休めなくなります。3回に分けられる点を生かして、先を見ながら配分しましょう。

【山本利也(ケアマネージャー)からのひとこと】

ケアマネとして多くのご家族と話してきましたが、休業中に決めておきたいのは「誰が、いつ、何をするか」の分担表です。デイサービスの曜日、通院の付き添い役、緊急時の連絡先。これが決まっていれば、休業が明けても仕事に戻りやすくなります。休業に入ったら早めに私たちケアマネに声をかけてください。サービスの組み立ては、最初の2週間がいちばん大事です。

お金の違い|介護休業給付金と介護休暇の給与

介護休業中は、会社から給与が出ないことが多いです。その代わり、雇用保険に加入していて一定の要件を満たす人は、ハローワークに申請すると「介護休業給付金」を受け取れます。支給額は、休業を始めたときの賃金日額の67%相当です。上限額や細かい要件は、勤務先やハローワークで確認しましょう。

介護休暇には、国からの給付金はありません。有給にするか無給にするかは会社ごとに決まっています。就業規則を見るか、人事担当者に聞いておくと安心です。

仕事を辞める前に会社へ確認したい4つのこと

2025年4月の法改正で、会社には介護と仕事の両立を支える義務が増えました。介護に直面したことを伝えると、会社は制度を個別に説明し、利用の意向を確認しなければなりません。辞める決断をする前に、次の4点を聞いてみてください。

  • 介護休業・介護休暇の申し出方法と、介護休暇が有給か無給か
  • 介護休業給付金の手続きを誰が進めるか
  • 短時間勤務、残業の免除、テレワークなどが使えるか
  • 相談窓口の担当者は誰か

なお、介護休暇はこの改正で、勤続6か月未満の人を対象外にできる仕組みがなくなりました。転職したばかりでも使える可能性があります。一方、介護休業は労使協定があると、勤続1年未満の人などが対象外になる場合があります。自分が対象かどうかは、就業規則で確かめておきましょう。

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それぞれの制度の具体的な取り方は、次の記事で詳しく解説しています。

仕事と介護の両立全体について知りたい方は → 仕事と介護を両立する5つのコツ|介護離職を防ぐ制度活用ガイド

介護休業は体制を整えるための長めの休み、介護休暇は通院などのための短い休みです。2つを組み合わせれば、仕事を続けながら介護と向き合う道が見えてきます。まずは就業規則を開き、会社の窓口に相談するところから始めてみてください。※制度の最新情報は、厚生労働省のサイトや勤務先でご確認ください。

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