介護保険申請の流れを完全解説|40代が親の申請でわかったこと

高齢者と若者が手を取り合う温かな場面 介護保険・制度・手続き

「お母さん、最近転ぶことが多くて…」と姉から電話がかかってきたのは、私が42歳の秋だった。父はすでに他界しており、遠方に住む母が一人で暮らしていた。病院に連れていくと、軽度の認知症と診断された。「介護保険の申請をしたほうがいいですね」と医師に言われたとき、正直、何も知らなかった。

介護保険って、65歳になったら自動的に使えるものじゃないの?申請って何をすればいいの?そんな状態から調べ始めて、実際に申請まで完了させた体験をもとに、流れと手続きを具体的にまとめる。

介護保険の申請が必要になるタイミング

介護保険は、保険料を払っているから自動で使えるわけではない。「要介護認定申請」という手続きをして、介護度を認定してもらって初めてサービスが使える仕組みだ。

  • 日常生活で介助が必要になってきた(着替え・入浴・食事など)
  • 転倒などの事故が増えた
  • 認知症の症状が出てきた
  • 病院や施設からケアマネに相談するよう勧められた

早めに申請しておくほうがいい。認定が降りていないと、いざサービスが必要になっても使えない。申請→認定調査→判定→通知まで原則30日かかるからだ。

申請前に確認すること:被保険者の種類

第1号被保険者(65歳以上)

65歳以上であれば、原因を問わず要介護・要支援状態になれば申請できる。手元にある「介護保険被保険者証」(水色のカード)が申請に必要だ。

第2号被保険者(40〜64歳)

40〜64歳は「特定疾病」が原因の場合に限り申請できる。特定疾病には、初老期認知症・脳血管疾患・がん(末期)など16種類が指定されている。この場合は医療保険証が必要になる。

区分 対象年齢 申請の条件 必要書類
第1号被保険者 65歳以上 原因を問わず要介護・要支援状態 介護保険被保険者証
第2号被保険者 40〜64歳 特定疾病が原因の場合のみ 医療保険証

介護保険申請の流れ:全5ステップ

Step1:市区町村の窓口で申請

市区町村の「介護保険担当窓口」か「地域包括支援センター」に行く。申請書をその場で記入する。本人が行けない場合は家族が代わりに申請できる。必要書類:介護保険要介護認定申請書、介護保険被保険者証(65歳以上)、マイナンバーカードまたは本人確認書類、主治医の氏名・医療機関名・電話番号。

Step2:認定調査(聞き取り調査)

申請後、市区町村の認定調査員が自宅を訪問してくる。約1時間の聞き取りと観察調査だ。74項目に及ぶ調査が行われる。調査当日に本人が頑張って見せてしまうと、実態より軽く評価されることがある。私は事前に母の「できていないこと」をメモに書いて渡した。

Step3:主治医の意見書

申請と同時に、市区町村がかかりつけ医に「主治医意見書」の作成を依頼する。事前にかかりつけ医に「申請します」と伝えておくとスムーズだった。

Step4:一次判定・二次判定

認定調査のデータをコンピュータに入力して「一次判定」が行われる。その結果と主治医意見書をもとに「介護認定審査会」が最終的な要介護度を決める(二次判定)。

Step5:認定結果の通知

申請から原則30日以内に認定結果通知書が郵送されてくる。

区分 状態の目安 月額利用限度額
非該当(自立) 介護の必要なし
要支援1 日常生活はほぼ自分でできるが支援が必要 約50,320円
要支援2 要支援1より少し支援が必要 約105,310円
要介護1 部分的な介護が必要 約167,650円
要介護2 軽度の介護が必要 約197,050円
要介護3 中程度の介護が必要 約270,480円
要介護4 重度の介護が必要 約309,380円
要介護5 最重度の介護が必要 約362,170円

申請から認定通知まで、実際は何日かかった?

私の経験では申請から認定通知まで37日かかった。急ぎの場合は窓口に「急性期にある」「退院が迫っている」等を伝えると、調査を早めてもらえることもある。申請日に遡ってサービスが使えるので、認定が出る前でも仮のプランを立てておくといい。

介護記録をつけておいてよかった

認定調査の前後から、母の状態をノートに記録するようにした。「何時に転んだ」「食事を何割残した」「夜中に何度起きた」など、こういった記録が次の更新申請や医師への相談で役立った。

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申請後に後悔したこと・やっておけばよかったこと

かかりつけ医を早めに決めておく

主治医意見書は、かかりつけ医がいないと時間がかかる。「病院には行ってたけどかかりつけ医という感覚はなかった」という親は多い。

認定調査前に「できないこと」をリストアップする

調査員の前では本人が頑張ってしまいがちだ。「普段はこんな状況です」と家族が補足できるよう準備しておく。

申請と並行してケアマネを探し始める

認定後すぐにサービスを使いたいなら、申請と並行してケアマネ探しをしておくといい。地域包括支援センターに「居宅介護支援事業所を紹介してほしい」と頼めばリストをもらえる。

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まとめ:介護保険申請は早めが正解

  • 申請場所:市区町村窓口・地域包括支援センター
  • 申請に必要:被保険者証(65歳以上)or 医療保険証(40〜64歳)
  • 認定調査:自宅訪問・74項目の調査
  • 認定まで:原則30日(実際は35〜45日が多い)
  • 認定後:ケアマネを選んでケアプランを作成→サービス利用開始

突然始まった親の介護に、正解なんて最初からない。でも手順と仕組みを知っておくだけで、動ける。まずは一歩、申請の窓口に連絡してみてほしい。