介護報酬改定2026、在宅介護の家族が知るべき3つの変化点【ケアマネ解説】

介護保険・制度・手続き

「2026年に介護の制度がまた変わるって聞いたけど、うちに関係あるの?」

最近、ご家族の方からこんな質問をよくいただきます。毎年のように制度が変わるので、正直うんざりしている方も多いと思います。でも今回の介護報酬改定(令和8年度・2026年)は、在宅介護を利用している家族にとって「知らないと後で困る」内容が含まれています。

私は介護支援専門員(ケアマネージャー)として12年間、在宅の利用者さんとご家族を支援してきました。この記事では、ケアマネ目線で「2026年の変化が家族の日常にどう影響するか」をできるだけわかりやすくお伝えします。

介護報酬改定2026、在宅介護の家族が知るべき3つの変化点

結論から先にお伝えすると、2026年は大きく「3つの変化」が家族の在宅介護生活に影響します。

  1. 訪問介護ヘルパーの処遇が大幅に改善される(担当変更の可能性あり)
  2. ケアマネージャーへの処遇改善加算が初めて新設される
  3. 介護情報のデジタル化と、施設利用者の費用負担の見直し

ひとつひとつ見ていきましょう。

訪問介護ヘルパーと高齢者が自宅でノートを見ながら話し合うシーン

処遇改善加算が大幅引き上げ——訪問介護の現場が変わりつつある

2026年6月から、令和8年度の介護報酬臨時改定が施行されます。目玉は「処遇改善加算(介護職員の給与を引き上げるための仕組み)」の大幅拡充です。

訪問介護では最大で28.7%の処遇改善加算(加算Ⅰ「ロ」)が新設されます。月換算で最大1万9,000円(定期昇給込み)の給与アップを目指す設計です。

「それはヘルパーさんにとっていいことですよね?」——はい、その通りです。ただ、家族にとっても無関係ではありません。

ケアマネ目線で言うと、今回の改定を機に、一部の訪問介護事業所では人員配置やシフトの組み直しが発生します。結果として担当ヘルパーが変わる可能性があります。長く関係を築いてきた担当者が変わることは、利用者さんにも家族にも少なからずストレスになります。

変更がある場合は事前に事業所から説明があるはずですが、もし連絡がない場合は担当のケアマネに確認してみてください。変更の理由と、新しい担当者への引き継ぎが適切に行われているかを確認するのが大切です。

佐藤ヘルパーより

報酬改定のあと、うちの事業所でもシフトの組み直しが入りました。利用者さんに「来てくれる時間が少し変わります」と説明するのが一番大変でしたね。急に変わると混乱される方もいるので、早めに家族の方に連絡が届くといいなと思っています。

ケアマネージャーにも処遇改善加算が新設——相談しやすくなる?

今回の改定でもうひとつ大きな変化があります。これまで処遇改善加算の対象外だった居宅介護支援事業所(ケアマネが勤務する事業所)に、2.1%の処遇改善加算が新設されます。

実はケアマネの処遇は、他の介護職と比べて長らく後回しにされてきました。それが初めて国として正式に改善対象として認められたことになります。

これが家族にとって何を意味するか。ケアマネが安定して働けるようになれば、担当者が頻繁に変わるリスクが下がります。また、処遇改善の要件として「生産性向上への取り組み」(ケアプランデータ連携システムの活用など)が求められるため、担当ケアマネがより効率的に動けるようになる可能性があります。

「最近担当のケアマネさんが変わって…」という声をご家族からよく聞きます。今後はそういった状況が少しずつ改善されていくことを期待しています。担当ケアマネに「2026年6月の改定でうちのサービスに変化はありますか?」と一度確認してみることをおすすめします。

佐藤ヘルパーより

現場ではケアマネさんとの連絡が密になってきた実感があります。利用者さんの変化を共有する時間が増えて、サービスの調整がスムーズになりました。家族の方からもケアマネさんへ気軽に相談していただけると、私たちヘルパーも動きやすくなります。

介護情報基盤とマイナンバー——2026年4月から変わる手続き

2026年4月から、「介護情報基盤」の整備が準備の整った自治体から順次スタートします。これは、バラバラに管理されてきた要介護認定情報・ケアプラン・主治医意見書などを電子的に一元管理し、関係者間で共有できる仕組みです。

家族への直接的な変化としては、介護保険被保険者証のマイナンバーカードへの統合が進む点が挙げられます。当面は紙の保険証も有効ですが、今後の手続きをスムーズにするために、ご本人とご家族のマイナンバーカード取得・更新を今のうちに確認しておくことをおすすめします。

また、すべての自治体が2026年4月に対応するわけではありません。お住まいの自治体の対応状況は、市区町村の介護保険担当窓口に確認してみてください。担当のケアマネに聞いても、地域の状況をある程度把握していることが多いです。

2026年の改正をまるごと把握したい方には、図解でわかりやすくまとまったこちらの1冊も参考になります。制度の全体像を手元に置いておくと、ケアマネとの会話もスムーズになりますよ。世界一わかりやすい 介護保険のきほんとしくみ 2024-2026年度版をAmazonで見る

施設入所者は要注意——食費・居住費が2026年8月から見直し

在宅介護のご家族には直接関係しませんが、施設を利用している場合は2026年8月から費用負担が変わります

主な変更点は以下の通りです。

  • 多床室(4人部屋など)に月額8,000円相当の室料負担が新設
  • 補足給付(食費・居住費の補助)の段階区分が細分化(第3段階が4区分に)
  • 食費の基準費用額が日額100円引き上げ(2026年8月)

親御さんが施設に入所中、または今後の施設入所を検討している場合は、担当ケアマネや施設のケアマネに費用の変動について確認してください。所得に応じた負担軽減制度(補足給付)を利用している場合は特に注意が必要です。

家族が今すぐ担当ケアマネに確認すべき3つのこと

最後に、実践的なまとめとして「ケアマネに聞いてほしいこと」を整理します。

よく「ケアマネさんに聞いていいのかな、忙しそうで…」とおっしゃる方がいますが、こういった制度変更の確認は担当ケアマネの仕事の一部です。遠慮なく聞いてください。

  1. 「担当ヘルパーの変更予定はありますか?」
    2026年6月以降、事業所側の体制変更で担当が変わるケースがあります。事前確認がトラブル防止になります。
  2. 「今後サービスの利用料金に変動はありますか?」
    処遇改善加算の上乗せは基本報酬に対するものなので、利用者の自己負担額が若干変わる場合があります。家計への影響を確認しておきましょう。
  3. 「マイナンバーカードの準備は必要ですか?」
    介護情報基盤の整備に伴い、地域によっては手続きが変わってきます。担当地域の状況を把握しているケアマネに聞くのが一番確実です。

制度は変わっても、皆さんの在宅介護を支える仕組みの根本は変わりません。疑問があればいつでも担当ケアマネに声をかけてください。一人で抱え込まないようにしてほしいのです。

佐藤ヘルパーより

「何か変わったら教えてください」とひと言言ってくれるご家族がいると、本当に助かります。私たちも気づいたことを伝えやすくなりますし、利用者さんのためにより良い支援ができます。制度が変わるたびに不安になる気持ちはよくわかりますが、ぜひヘルパーにも気軽に話しかけてください。

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