2027年度の介護報酬改定、家族に何が変わる?基本の視点

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2027年度の介護報酬改定、家族に何が変わる?基本の視点

2027年度の介護報酬改定に向けた議論が、いま進んでいます。「うちの親の介護費用は上がるの?」と気になっている方も多いでしょう。この記事では、議論の基本的な視点と、家族が今のうちに知っておきたいことを整理します。

2027年度の介護報酬改定は議論の途中。家族の負担がどうなるかは年内に見えてくる

介護報酬とは、介護サービスの公定価格のことです。原則として3年に1度見直され、次の改定は2027年度(令和9年度)です。

厚生労働省の審議会(社会保障審議会の介護給付費分科会)では、2026年9月30日の第268回で「基本的な視点(案)」が示されました。ただし、これは方針の案です。改定率や各サービスの単価は、まだ決まっていません。

今の時点でできるのは、決まるまでの流れを知り、慌てずに備えることです。

介護報酬が変わると、家族の自己負担はどう動くのか

介護サービスを使うとき、利用者は費用の1〜3割を自己負担します。介護報酬の単価が上がれば、同じ使い方でも自己負担は連動して増えるのが基本です。

一方で、報酬を引き上げることは、介護職員の賃上げや事業所の経営安定につながります。サービスの質や人手の確保にとっては、プラスの面があります。

つまり、サービスの充実と国民の負担増はトレードオフ(一方を立てれば他方が立たない関係)です。審議会でも、他産業との賃金差を縮める必要がある、という意見と、現役世代の保険料はこれ以上増やせない、という意見の両方が出ています。

なお、施設の食費や滞在費は、介護報酬とは別に基準が決められています。ただし、食材料費の高騰への対応は、施設系サービスの論点のひとつとして挙げられています。

9月30日に示された「5つの基本的な視点」

9月30日に示された「5つの基本的な視点」

案として示された視点は、次の5つです。家族の目線で見ると、どこに関わるかを右の列に添えました。

基本的な視点 ざっくり言うと 家族の目線で見ると
物価・賃金上昇への対応と処遇改善 介護職の待遇を他の職種に近づける 人手不足の解消、単価や自己負担への影響
人口減少・サービス需要の変化への対応 人が減る地域でもサービスを保つ 地方や遠方にいる親のサービス確保
地域包括ケアシステムの深化 医療と介護の連携、認知症への対応 入退院や認知症の親の暮らし
職場環境の改善と生産性向上 ICTの活用や業務の分担 記録の電子化、見守り機器、質への懸念も
制度の安定性・持続可能性 限られた財源を有効に使う 保険料や自己負担をめぐる議論

委員からは、低所得の高齢者への配慮を求める声も出ていました。案は今後の意見を踏まえて、最終的な審議報告にまとめられる予定です。

家族の暮らしに関わりそうな論点

9月初めの第264回では、次のような項目が検討されました。親の介護に関わる方には、気になるテーマが並んでいます。

  • 認知症への対応力を高めること
  • 医療と介護の連携(入退院のときの引き継ぎなど)
  • 口腔(口の中のケア)と栄養の取り組み
  • 多床室(相部屋)の室料負担のあり方

とくに多床室の室料は、施設に入っている家族の月々の費用に直結する話です。ただし、結論はまだ出ていません。決まった内容は、必ず公式の発表で確認してください。

そのほか、訪問介護やデイサービス、ケアマネジャーの仕事の見直しなど、サービスごとの論点も整理が続いています。

2026年6月の臨時改定と何が違うのか

2026年6月の臨時改定と何が違うのか

2026年度は、改定の年ではないのに、6月に処遇改善を前倒しする臨時の改定がありました。賃上げを急いで支援するための措置です。

今回の2027年度改定は、3年に1度の定期的な見直しです。臨時改定のときの内容は、介護報酬改定2026、在宅介護の家族が知るべき3つの変化点でも紹介しています。

処遇改善にかかる加算も介護報酬の一部なので、自己負担の計算には反映されます。ただし、この加算は支給限度額の計算には含まれない扱いです。

いつ決まる?今後のスケジュール

現時点で報じられている流れは、次のとおりです。

  1. 2026年秋:個別のサービスについて議論が進む
  2. 2026年12月ごろ:基本的な考え方と改定率が整理される見込み
  3. 2027年1月ごろ:改定案が示され、答申される見込み
  4. 2027年度:新しい報酬が始まる

時期は議論の進み方で前後することがあります。年末から年明けにかけてのニュースに注目しておくと安心です。

いま家族ができる3つの準備

決まっていない段階で、不安をふくらませる必要はありません。次の3つだけ、先に済ませておきましょう。

  1. 今の自己負担額を把握する:先月の介護サービスの利用票や請求書を見て、1か月の自己負担がいくらか確認します。
  2. ケアマネジャーに聞いておく:改定で利用中のサービスに変わりがありそうか、決まり次第教えてもらえるようお願いしておきます。
  3. 負担を軽くする制度を知っておく:高額介護サービス費など、上限を超えた分が戻る仕組みがあります。

情報を確かめるときは、厚生労働省の審議会の資料や、お住まいの市区町村の発表を見るのが確実です。個人のSNSやまとめ記事は、案の段階の話が決定事項のように広まることがあります。

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2027年度の介護報酬改定は、まだ案の段階です。決まるまでは、自分の今の負担を知ることから始めてみてください。※2026年10月時点の情報です。今後の審議で内容が変わる可能性があります。最新情報は厚生労働省やお住まいの市区町村でご確認ください。

写真:Olena Kholina via Unsplash