
親が認知症と診断され、グループホームへの入居を検討し始めた。でも「実際に月いくらかかるの?」「年金で足りるの?」という不安を抱えている40代の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、認知症対応のグループホームにかかる月額費用の内訳から初期費用、負担を軽減する制度まで、40代の子世帯が知っておくべき情報をまとめて解説します。
グループホームの月額費用は15〜20万円が目安|認知症入居の初期費用と軽減策

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の月額費用は、15〜20万円程度が目安です。介護保険の自己負担分と生活費を合わせたトータルの金額になります。施設の立地や設備によって差があり、都市部では20万円を超えるケースもあります。
グループホームの月額費用の内訳

月額費用は大きく「介護サービス費」と「生活費」の2つに分かれます。
| 費用の種類 | 目安金額 |
|---|---|
| 介護サービス費(介護保険1割自己負担の場合) | 2〜3万円 |
| 居住費(家賃相当) | 5〜8万円 |
| 食費 | 4〜6万円 |
| 日常生活費(日用品・娯楽費など) | 1〜2万円 |
| 合計の目安 | 12〜19万円程度 |
介護サービス費は所得に応じて1〜3割の自己負担となります。所得が高い方は2〜3割負担になるため、月の費用が上がる点に注意が必要です。なお、2026年8月から食費の基準額など一部が改定される予定です。最新の費用は必ず施設に直接確認してください。
入居一時金(初期費用)はいくらかかる?
入居時に必要な一時金は、0〜数十万円と施設によって大きく異なります。「0円」を掲げる施設も増えており、一時金の平均は10〜21万円程度が目安とされています。
初期費用を抑えたい場合は、入居一時金ゼロの施設を選ぶことも選択肢のひとつです。ただし、退去時の返還条件や短期間での解約時の取り扱いは施設ごとに異なります。契約前に必ず書面で確認することが大切です。
入居条件:認知症の診断は必須?
グループホームに入居するには、原則として以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。
- 65歳以上であること
- 要支援2または要介護1以上の認定を受けていること
- 医師から認知症の診断を受けていること
- 施設と同じ市区町村に住民票があること(地域密着型サービスのため)
「認知症の診断」が入居条件になっているため、物忘れが気になる段階で早めに受診・介護認定の手続きを進めておくことが重要です。また、住民票の市区町村が施設と異なる場合は入居できないため、引っ越しを伴う場合は事前に自治体へ相談してください。
年金だけで払えるか?費用の目安シミュレーション

40代の子世帯が最も心配するのが、「親の年金だけでまかなえるのか」という点ではないでしょうか。
厚生年金の平均受給額は月14〜16万円程度、国民年金(老齢基礎年金)のみの方は月5〜6万円程度が目安です(※実際の受給額はねんきん定期便または年金事務所で確認できます)。
グループホームの月額費用が15〜20万円であることを踏まえると、厚生年金の方でもギリギリか毎月数万円の不足が生じる可能性があります。国民年金中心の方の場合、月10万円前後の不足になるケースもあります。
この差額は親の預貯金で補うのが基本です。いざというときに慌てないよう、親の資産状況(通帳・不動産など)を早めに把握しておくことをおすすめします。兄弟姉妹がいる場合は、費用分担について事前に話し合っておくと安心です。
費用計画を立てる際に、介護とお金に関する制度を体系的に把握しておくと安心です。行政の窓口に行く前に、書籍で全体像をつかんでおくと相談もスムーズになります。親の介護費用・お金の備えに関する本をAmazonで探す
費用を抑える手段:高額介護サービス費の申請
介護保険の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される「高額介護サービス費」という制度があります。グループホームの介護サービス費は介護保険が適用されるため、この制度の対象になります。
上限額は所得に応じて異なり、一般的な所得の方(世帯単位)は月44,400円が目安です(2024年時点。最新情報はお住まいの市区町村にご確認ください)。申請は市区町村の介護保険担当窓口で行い、初回申請後は自動的に支給されるケースが多いです。
介護支援専門員からのひとこと
高額介護サービス費は「申請しなければ受け取れない」制度です。施設側から案内されないケースも珍しくないので、入居後1〜2ヶ月以内に市区町村の窓口へ自分から問い合わせてください。申請できる期間は2年間ですが、気づかずに時効を迎えてしまうご家族も実際にいます。
「補足給付(負担限度額認定)」はグループホームに使えない
特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)では、低所得の方向けに「補足給付(負担限度額認定)」という制度があり、食費や居住費の自己負担を大幅に抑えられます。
しかし、グループホームにはこの補足給付が適用されません。補足給付の対象は特養・老健・介護医療院に限られており、グループホームは制度の対象外です。
「補足給付が使えると思っていた」という誤解から費用計画が大きく狂うことがあります。グループホームを検討する際は、補足給付なしの金額で費用計画を立てるようにしてください。
施設を選ぶ前に確認したいこと|もっと詳しく知りたい方へ


費用の把握と同じくらい重要なのが、「いつ施設に入れるか」というタイミングの判断です。親を施設に入れるタイミングでは、施設選びの判断基準や在宅介護との比較を詳しく解説しています。費用の目安がつかめたら、次のステップとしてぜひ参考にしてください。
まずは気になるグループホームに見学を申し込み、月額費用の詳細を書面で確認することから始めてみましょう。
グループホームの選び方や認知症ケアの実践について、より詳しく知りたい方には専門書も参考になります。見学前に基礎知識を身につけておくと、スタッフへの質問もしやすくなります。認知症のグループホーム選びに関する本をAmazonで探す

