ビジネスケアラーの会社の両立支援制度と相談窓口

ビジネスケアラーの会社の両立支援制度、相談窓口はどこ?まず社内の3つの入口を確認しよう

ビジネスケアラーの会社の両立支援制度、相談窓口はどこ?まず社内の3つの入口を確認しよう

「ビジネスケアラー」として親の介護と仕事を両立させる場合、法律で決まった介護休業・休暇だけでなく、会社独自の両立支援制度や相談窓口を知っているかどうかで、日々の負担は大きく変わります。この記事では、まず何を見ればいいか、次に誰にどう切り出せばいいか、そして相談しても不利にならないか、という3つの疑問に順番にお答えします。

会社の両立支援制度の探し方――まず確認すべき3つの場所

会社の両立支援制度の探し方――まず確認すべき3つの場所

会社独自の両立支援制度は、就業規則や社内報などに情報が分散していることが多く、見落とされがちです。まずは次の3つを順番にチェックしてみましょう。

  • 就業規則――「休業」「休暇」の章だけでなく、「勤務時間」や「福利厚生」の章にも両立支援に関する記載がある場合があります。
  • 社内報やイントラネットのバックナンバー――過去に両立支援制度の紹介記事が掲載されていることがあります。検索機能があれば「介護」で検索してみましょう。
  • 人事ポータルや福利厚生サイトの検索窓――「介護」「両立支援」などのキーワードで検索すると、専用ページが見つかることがあります。

一般的には、これらの場所に会社独自の制度がまとめられているケースが多いようです。自社の詳しい内容については、人事労務担当部署にご確認ください。

社内の介護相談窓口、実はどこにある?――人事部だけじゃない選択肢

介護の相談先というと人事部を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、選択肢はそれだけではありません。

  • 人事労務担当――制度利用の手続きや勤務調整について相談できます。
  • EAP(従業員支援プログラム。外部の専門家に心身や生活の悩みを相談できる仕組み)の外部相談窓口――会社を介さず直接相談できることが多いです。
  • 健保組合の介護相談ダイヤル――給与明細の裏面や健保組合のサイトに連絡先が記載されていることがあります。
  • 産業医面談――健康相談の延長として、介護による心身の負担を話すこともできます。

イントラネットの「福利厚生」タブや給与明細の裏面は、見落としがちな情報源です。一度、目を通してみるとよいでしょう。

人事部・産業医面談で「介護のことで相談したい」をどう切り出すか【例文つき】

人事部・産業医面談で「介護のことで相談したい」をどう切り出すか【例文つき】

介護の相談は、切り出しにくいと感じる方が少なくありません。「大げさに思われたくない」「まだ制度を使うほどではない」という遠慮が背景にあるようです。しかし、状況が深刻になる前に相談するほうが、選べる対応の幅は広がります。

メールで相談する場合の例文です。

「現在、親の介護で通院同行が発生しており、業務調整のご相談と、社内で使える支援制度についてご案内いただけますでしょうか」

対面で切り出す場合も、同じような言い方で十分です。制度の名前が分からなくても「介護と仕事の両立について相談したい」と伝えるだけで話は進みます。産業医面談は、心身の健康相談の延長として利用できる場合があります。介護による疲労やストレスを相談する入り口として、活用してみるのもひとつの方法です。

「相談すると評価に響くのでは?」への回答――守秘義務の仕組みを知っておく

相談すると人事評価に影響するのではないか、という不安を抱く方は多いようです。産業医面談やEAPの相談には、守秘義務(相談者の同意なく内容を第三者に伝えないという仕組み)が設けられていることが一般的です。ただし、運用の範囲は会社によって差があるため、詳細は自社の担当部署に確認しておくと安心です。

一方、人事部への直接相談は、評価者側のラインに情報が伝わる可能性もゼロではありません。まずは守秘義務が明確なルートから相談し、必要に応じて人事部につなげてもらう、という順番を検討してみてください。

【山本利也(ケアマネージャー)からのひとこと】

相談は早いほど、選べる選択肢が広がります。私が担当したケースでも、評価を気にして半年以上ひとりで抱え込んだ結果、体調を崩して離職に至った方がいました。産業医面談やEAPは守秘義務のあるルートですから、まずはそこから声を上げてみてください。1回15分の相談が、その後の働き方を大きく変えることもあるのです。

会社の制度だけで不安な人へ――公的サービスとの組み合わせ方

会社の両立支援制度は、勤務時間の調整や情報提供が中心で、実際の介護サービスそのものを提供するものではありません。訪問介護やデイサービスといった具体的な支援を受けるには、公的な仕組み(介護保険制度など)の利用が必要になります。会社の制度と公的サービスを組み合わせることで、無理のない両立がしやすくなります。

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